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チェコ料理を作りました


こんにちは、チェコの藍染めヴィオルカです。

4月25日、目白にあるスペイン文化アカデミーで行われた、広島修道大学教授の矢田部順二先生による講演会「人形とともに歩んだチェコ文化の魂ーマリオネットでたどるもうひとつのチェコ史ー」のあとふるまわれたチェコ料理作りに協力させていただきました。

今回のメニューは、

魚のフライ

ポテトサラダ

パプリカチキン

フレビチュキ

デザートはバーボフカというラインナップ

アカデミーを主宰する渡辺万里先生の「お肉とお魚の両方を」と言うリクエストに答えたメニューになりました。メニューの組み立てから、かかわらせていただき、本当にいろいろ学ばせていただきました。

チェコ料理は家庭の味が基本です。お肉や野菜、さまざまなハーブ、スパイスを使ったお母さんやおばあちゃんの味という表現がぴったりです。今回は、アカデミーで講座を受け持たれている三谷智佐子さんに家庭料理をよそ行き風に仕上げていただきました。盛り付けがとても素敵なんです。

まずは、お料理の紹介をします。

魚のフライとポテトサラダは、チェコのクリスマス料理の定番。チェコの場合、伝統として鯉の肉を使いますが、今回は白身で脂も適当にのっている鯛を使いました。やや細長く切りそろえた鯛のお肉をにんにくや生姜、ハーブ、醤油etc.とともにマリネしてフライします。

最近は鯉のお肉の消費量が減っているそうです。ですから鯉肉のプロモーションにも力が入っているようで、新しいレシピの開発にも余念がないようです。今回は鯉の養殖で有名な地方の老舗レストランの最近のレシピを参考にしました。上述のように細く切りそろえて食べやすくし、食感を変え、またお醤油を使うのも目新しい方法だと思います。

ポテトサラダも日本のものとは一味違った味わいです。大きな違いはキュウリのピクルスの味が効いていること。チェコに住んでいたことのある人からは、ピクルスの酸味が効いたポテトサラダが懐かしい!という声を聞きます。

そして、これ、じゃがいもの型抜き。ゆでたじゃがいもや卵をこの型で抜いて、大きさを揃えます。こんなシンプルな調理器具がチェコにはあるんですよ。使ったら食洗機に放り込めばいつでも清潔ですし、使い勝手もいいし、複雑な調理器具よりもずっと合理的です。

パプリカチキンは、チェコのレストラン、学食、居酒屋、もちろん家庭でも定番の味。身近な材料で作れて、作り置きもできるので、重宝なレシピなのです。独特の香りと甘みのあるパプリカのパウダーを使い、隠し味にサワークリーム、レモン汁を使います。今回は良質のスペイン産パプリカパウダーをたっぷり使っているので、味に何とも言えない深みがありました。

フレビチュキは、チェコの軽食、おやつ、パーティーのフィンガーフードとして愛されている、いわゆるオープンサンドです。ハムやチーズ、野菜など上にのせる具材のほかにポマザーンカと言われる、クリームチーズを主にしたペーストをパンに塗るのがポイント。日本のサンドイッチとは違う味の調和が楽しめます。

そしてデザートのバーボフカ。いわゆるパウンドケーキ生地のケーキですが、今回はココア生地をマーブルに混ぜ合わせ、ラム酒に漬けたレーズンとすりおろしたかんきつ類の果皮を加えて焼きました。卵白を硬く泡立てて焼くので、とても大きく膨らみます。チェコのカフェで出されているバーボフカとまったく瓜二つの出来上がりになりました!ホイップクリームを添え、粉砂糖を振りかけるのも定番の盛り付け。

友人の山小屋に遊びに行ったとき、買い出しに時間がかかって帰宅が遅くなりました。その時の夕食は、なぜかスーパーで買ったバーボフカになったんですが(笑)、お皿に盛りつけたあと、彼女がおもむろに茶漉しのような小さなふるいに粉砂糖を入れてバーボフカに振りかけ始めたのを見て、手間のかけ方の違いをまざまざと見た気がしました。私だったらこんなに疲れていたらお砂糖なんてわざわざ振らないよ!と。

今回は万里先生のレシピ、ワインに漬けこんだ愛らしいいちごとともに。飲み物はミント入りの甘い紅茶でした。

三谷さんは、以前は軽井沢のホテルのレストランにいらっしゃたので、お客さまにお出しすることを意識した下ごしらえ、盛り付けの技術、考え方を見せていただけたのは本当に勉強になりました。

私の料理は、家庭の主婦の料理から出発しています。チェコの料理の師匠(このお話はまたどこかでしたいと思います)、万里先生、三谷さん、いろいろな方の考え、方法、技術を吸収して今後もチェコ料理への興味を発展させてゆきたいです。

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