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ミュシャの最高傑作《スラヴ叙事詩》 ついに来日!(その10)

こんにちは、チェコの伝統藍染めヴィオルカです。ゴールデン・ウィークも今日で終わり。「ミュシャ展」会場には、連日たくさんのお客様がいらっしゃいました。みなさんの心に「スラヴ叙事詩」はどのように響いたでしょうか?

「Le style Mucha/ ミュシャ様式」として一世を風靡した様式について、ミュシャの息子イジーが書き留めていることは、とても興味深いものです。

父はアール・ヌーヴォーについて語らなかった。その代わり、自分なりのやり方でやったという言い方をよくしていた。彼の作品の装飾の要素は、故郷で作られている素朴な刺繍をする人や絵を描く人と同じやり方で、自然から汲み取ったものであり、それを自分の興味を持った様式に結び付けた。自分の祖国に対する強い情熱で、彼はこの運動すべてに根源的な、純粋なスラヴ的な何かを持ち込めると信じていた。

モラヴィアの素朴な手仕事に見られる装飾文様は確かにミュシャの作品に生きています。またイジーのコレクションには、「SAVON NOTRE DAME ノートルダム石鹸」(1896)というユニークな小品がありました。37x53cmという大きさから、おそらくはお店に置く宣伝用のグラフィックの習作だったようですが、完成作品は確認されていません(残念ながらフリーで使えそうな画像がないので、画像は割愛します。ごめんなさい)。

この作品のメイン・モティーフは、聖母マリアですが、その衣装や多くの装飾パターンはミュシャにとって、とても身近なものだったと指摘されています。そして何よりも聖母マリアの姿は、ミュシャが子供のころ、母に連れられて行った巡礼地で手に入れることができたというマドンナの像そのものであり、その像は、ガラス絵に描かれ、木製やその他の多くの素材により、様々に表現されていたものでした。今でもチェコの民族博物館に行くと、そのようなマドンナ像を見ることができます。

ミュシャは、子供のころの想い出そのままの聖母マリア像を写し取り、ミュシャ様式に当てはめました。そしてフランスでは、チェコの伝統的な聖母マリア像はとてもエキゾティックに映ったことでしょう。

今日は、このへんで。続きをお楽しみに。

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