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「秘めた赤、よりそう赤-たかさき紅板締めの世界」

こんにちは、チェコの藍染めヴィオルカです。


青山にある伊勢半本店紅ミュージアムで開催されている「秘めた赤、よりそう赤-たかさき紅板締めの世界」展のギャラリートークで、私の高校の大先輩である吉村晴子さんがお話されると聞き、伺ってきました。




この展覧会は、本場の京都を除いては、群馬県高崎市で明治初期から昭和の初めまで行われていたものの、20年ほど前に復元されるまで失われていた染色技法「紅板締め」を取り上げたもので、復元作業を中心となって進められた吉村氏の生家である吉村染工場に残されていた染色用の型板、古い文書や関連資料、紅板締め技法で染められた古い紅絹(もみ)、そしてその復元作業関係の資料等で構成されています。


紅絹は、着物の間着や裏地に使われた赤の絹地で、無地や様々な文様を染め抜いたものがあり、浮世絵の美人が襟や裾や袖口からちらりとのぞかせている赤というと、どんなものであるか想像しやすいかと思います。


展覧会を見て、お話を聞くと絶えてしまった歴史は元には戻せないという重い事実を突きつけられますが、紅絹の色の鮮やかさ、着物の裏地に大胆に赤をあしらう粋さ、今ではもう手に入らない、手繰りの空気を含んだ柔らかでさらさらしている絹地の手触りや質感を身近に知る本当に貴重な機会です。


赤は、チェコでも衣装の刺繍に「魔除け」「生命力」を表すものとして多用されます。日本でも赤は同様の意味を持ちますが、さらに紅絹には日本の美意識を垣間見ることもできます。ぜひみなさんにも紅板締めの美しい赤を見ていただきたいと思います。

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